SPECIAL

月虹をさがして

物語

姿を消した娘から届いた、一通の手紙。
「お母さん、ごめん。今あたしホーチミンにいる」
なぜ黙って出ていったの。いつ帰ってくるの。どうしてベトナムなの。
母の問いに、手紙は何も答えない。
見えない、娘の想い。見えない、娘の姿。
それでも必ず見つけてみせる。
母は、娘を追って旅に出た――

2009年のある日、ひとりの日本人が、失踪した娘を探しにベトナムを訪れる。ベトナムで娘の消息を尋ねてまわる母親がたどり着いた場所、そこは慈厳(トゥーギエム)尼院だった。時を超えて、母と娘、そしてある一人のベトナム女性の願いが交錯する。

解説

「月虹を探して」は、朗読ではなく演劇でもない、「語り」という手法で、人間の内面を掘り下げ「生きる」ことの苦悩と希望を描いてきた作家、高橋郁子の書き下ろし作品です。作家が求めるテーマを、実在したベトナム女性の足跡に見出し、自身がベトナムの地を訪れて生まれた物語には、五感で受けたベトナムの空気、香り、人々の生の営みが、聴く人、観る人の心に異国の風景をもたらしてくれるでしょう。

また、その言葉に血を通わせ、「生きている人」として語る二人の女優、東野醒子と山下亜矢香の表現力に、観る側は想像力を喚起され、そこにベトナムの熱気、風を感じることでしょう。

音楽は、現在おそらく日本で唯一といえるかもしれない、ベトナムの民族楽器「月琴」奏者の和田尚悟。彼こそ、10代でベトナムへ渡り、そのカルチャーショックに人生を揺さぶられた青年です。彼の体験から、この「想像力のセッション」は生まれました。

※「月虹」…げっこう。夜間、月の光りによって生じる虹。

キャスト

高橋郁子 - Takahashi Ikuko(作・演出)

脚本家。人間の内面奥深くを見つめようとする感性と実力に周囲の期待が高い。

2001年より「語り」の作・演出、2007年よりアニメーションの脚本を手掛けている。

近年は、語りと雅楽・能など、伝統芸能とのコラボレーションに数多く参加。

代表作:語り「ひかりの産声」「潮騒の祈り」「大樹釈尊」他/アニメ「モノノ怪」「墓場鬼太郎」「美肌一族」他
初演の「月虹を探して」から1年後、自らベトナムへ赴き取材、この夏、新たな世界を作品として昇華させる。

東野醒子 - Touya Sameco(語り)

蜷川幸雄演出舞台「にごり江」でのヒロイン、たけくらべの美登利役をオーディションで射止め舞台デビュー。数年に渡る商業演劇活動の後、当時在籍した劇団若草の若手俳優たちと小劇団を旗揚げ。以後、激弾BKYUの看板女優として活躍する傍ら、外部のプロデュース作品でも数多く主演を務める舞台女優。

網膜色素変性症(進行性視野狭窄と夜盲という難病)を持つ彼女は、地域交流プロジェクト・コスモスペースへの参加など、NPOの活動にも積極的に関心を持ち、現在さまざまな表現スタイルで福祉施設や特別支援学校を訪問し「演劇の魅力」を伝えている。

「月虹を探して」へは初演に続き二度目の参加。

http://blog.livedoor.jp/bkyu_touya/

山下亜矢香 - Yamashita Ayaka(語り)

映画、海外ドラマ、アニメ、ラジオCM等の声優をメインに、舞台俳優としても活躍する。個性的な声質と豊かな感受性、旺盛なチャレンジ精神で活動の幅を広げる女優。

主な出演作品に、舞台「火の鳥」「女三匹」「白のカノン」、吹き替え「SEX AND THE CITY」「チアーズ」「RAY」「ベルンの奇蹟」、アニメ「ヤッターマン」「ドラえもん」「NARUTO~ナルト~」「ケロロ軍曹」「ブラックジャック」等多数。「月虹を探して」へは、初の参加。

http://www.artsvision.co.jp/data.php?id=1038

和田尚悟 - Wada Shougo(月琴演奏)

2001年、日・越合同プロジェクトによりベトナムに渡る。ベトナムのトップアイドル「Dan Trung」との競演や、ベトナムの国民的歌手「Ngoc Son」を師匠に持ち各地へのツアーへ参加するなど、異色の経歴を持つ。

2004年、ベトナム初の日本人アイドル「SAKAI」とのユニット「Xych-lo」を結成。

音楽活動の傍ら、枯葉剤障害児だったドク氏と共にベトナムの枯葉剤障害児支援のための募金活動をスタートさせるなど、日越友好の架け橋となるべく活動を続ける。

ここ数年は、ベトナム民族楽器「月琴」奏者として、ソロ活動も精力的に行なっている。

「月虹を探して」へは初演に続き二度目の参加。

http://gekkin.com/

 

スタッフ

プロデュース:堤真理子  

制作:コスモスペース  

制作協力:高嶋加代子・寺脇研・青柳良明

宣伝デザイン:studio kitchen  

協 力:広瀬紀子・激弾BKYU・アーツビジョン・ちおん舎・NPO法人教育支援協会

後 援:在大阪ベトナム社会主義共和国総領事館・日本ベトナム経済交流センター

共 催:ヘヴンリーバンブー・京都文化塾ぷろだくしょん・NPO法人遊プロジェクト京都

開催概要

日時 2009年8月8日(土)19:00~(開場 18:30)
※語り劇の後に、ベトナムの今を伝えるトークセッション
「ベトナムの“現在(いま)”から見える、私たちをつなげるもの」
特別参加:広瀬紀子
プロフィール:歯科医師。長年にわたる、口唇口蓋裂の子どもたちを無料で診療する支援活動により、ベトナム政府から児童保護育成勲章を授与。
会場 三条衣棚・町屋「ちおん舎」ホームページ:http://www.chikichi.co.jp/
京都市中京区衣棚通三条上ル突抜町126 TEL:075-213-4517
JR京都駅より地下鉄烏丸線「烏丸御池」駅下車6番出口より徒歩3分 ・阪急「烏丸駅」下車徒歩7分
料金 3500円 (ベトナムフード・ドリンク付き)
お問い合せ コスモスペース / TEL : 044-934-8902 E-mail : cosmospace@y8.dion.ne.jp